乳がん闘病記 005. 薬物治療・放射線治療

薬物治療・放射線治療の概要

本来であればステージIIIaの場合、術前に抗がん剤治療を行い腫瘍を小さくしてから手術を行うケースが多いのですが、良性腫瘍(乳腺線維腺腫)と思われていたため、術後の化学療法となりました。
また、良性腫瘍の場合は腫瘍のみをくり抜くように切除しますが、悪性腫瘍の場合は周囲にがん細胞が散っている可能性が高いため、周囲の組織とリンパ節を取り除く再手術を追加で行った後の治療開始となります。

2012年9月から標準療法として薬物治療を開始し、その後に放射線治療を実施しました。

2012年8月〜9月

薬物治療として、FEC療法+パクリタキセルを行うことになりました。
毎週水曜日に病院に通い、点滴で抗がん剤を投与してもらいます。ほぼ誰かしら家族が付き添って通院していました。

FEC療法とパクリタキセルは投与期間が異なるため、両方を一緒に投与する日は5時間コースの長丁場となりました。
最も点滴の種類が多かった時のメニューは以下の通りです。

  1. 生理食塩水
  2. 吐き気止め
  3. ステロイド剤
  4. 抗ヒスタミン剤
  5. FEC (フルオロウラシル+エピルビシン+シクロフォスファミド)
  6. パクリタキセル
  7. 生理食塩水

副作用はなかなか辛く、吐き気止めを入れてもらいながらの治療でした。
髪の毛だけでなく、眉毛やまつ毛、体毛など上から下まで全部抜けてしまうため、目にゴミが入りやすくなるなど日常生活でも地味な不便さがありました。

2012年9月11日

二回目のケモ(化学療法)。

2012年9月26日

先日、乳がんの手術痕から出血?したので、担当医に看てもらったら、手術の際に使った糸が、本来は身体に吸収される糸なんですが、私は若いから、体が異物と判断して、炎症起こしてるみたいになってしまっているようです…
―― ナナのブログより引用

若い患者の場合、免疫反応や創傷治癒が旺盛なため、通常であれば自然に体に吸収されるはずの糸を異物とみなしてしまい、体が外へ排出しようとして炎症や出血を起こしてしまうトラブルがありました。

BRCA1/2遺伝子検査

家族性(遺伝)の乳がんの場合、BRCA1/2遺伝子に異常が見られることがあります。
この遺伝子異常がある場合に有効な抗がん剤が存在する可能性があるのと、姉妹がいたため念のため検査を受けました。
当時は保険適用外で費用は28万円(自費)、結果が出るまで3週間ほどかかりました。(結果は異常なし)

2013年2月〜5月:放射線治療

化学療法を一通り終えた後、乳房温存手術を行った側の局所再発を防ぐため放射線治療を開始。
月曜から金曜までの平日、毎日欠かさず5週間通院しました。1回あたりの照射時間は2分ほどです。

毎日の通院が必要になるため、時間帯や病院の場所によっては仕事の継続に大きく影響が出てしまいます。仕事を続けながら治療を行うためには、職場の理解やサポートが不可欠だと感じました。

2013年5月27日

一連の標準治療(手術・抗がん剤・放射線治療)がすべて終了しました。
ここから定期検診による経過観察に入ります。

抗がん剤や各種検査、放射線治療には多額の費用がかかりますが、健康保険の高額療養費制度を利用し「限度額適用認定証」を事前に提示しておくことで、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることができました。

用語解説

化学療法(ケモ)

抗がん剤を用いて全身のがん細胞を攻撃する治療法。血液を通して全身を巡るため、微小な転移を防ぐ効果があります。

FEC療法

乳がん治療で広く利用される多剤併用抗がん剤治療の一種。
フルオロウラシル(5-FU)+エピルビシン(EPI)+シクロフォスファミド(CPA)の3種類の抗がん剤を利用します。3週間ごとに計4回行い、1回あたりの所要時間は約2時間。

パクリタキセル

タキサン系と呼ばれる抗がん剤で、細胞分裂に必要な微小管に作用します。週1回の投与を複数週行います。手足のしびれなどの末梢神経障害が出やすいのが特徴です。

放射線治療

高エネルギーの放射線を照射してがん細胞を死滅させ、局所再発を防ぐ治療法。乳房温存手術後は基本的に併用されます。

BRCA1/2遺伝子

家族性(遺伝性)の乳がん・卵巣がんに関わる遺伝子。変異がある場合、将来的な発症リスク評価や特定の薬剤選択の指針となります。

高額療養費制度

医療費が高額になった際に、自己負担限度額を超えた分が払い戻される制度。事前に「限度額適用認定証」を提示することで窓口支払いを限度額に抑えられます。

最終更新 2026年8月22日土曜日

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