カヌレ・ド・ボルドー(以下カヌレ)を家で作って、早3年。 ようやく成功率が100%になったので、確実に失敗する方法と、都市伝説の検証をまとめます。
銅製のカヌレ型はかっぱ橋の浅井商店で購入しました。 かっぱ橋商店街まで実際に出向き、各店舗のカヌレ型を比較して一番良さそうなものをチョイスしました。
実際にこの型を使っていますが、とにかくエッジが立って綺麗に焼き上がるので楽しいです。 レシピは頂いたものを、そのまま作っています。(https://www.rakuten.ne.jp/gold/asai-tool/recipe-note/t-207.htm))
さて、カヌレの焼き方を成功させるポイントは以下の通りです。
- オーブンの温度を180度以上に保つ。
- 生地を12時間休ませる。
- 北海道産小麦は使わない。
それぞれ見ていきましょう。
オーブンの温度を180度以上に保つ
焼き方のコツを紹介するサイトなどで、温度をとにかく高く230度にしろと言っている所がありますが、 一般的な家庭用オーブンレンジだと最大で200度までしか出せません。 本来であれば210度-230度で焼きたいところですが、180度を下回らなければ失敗はしないようです。 もちろん、高い温度を保った方が"す"がちゃんと入ります。 オーブンを予熱すると予熱完了を教えてくれますが、そのタイミングで焼き始めるとまだまだ温度が低いことが多いので、オーブン用温度計を用意し180以上になってから焼き始めます。 オーブン用温度計は必須です!
生地を10時間以上休ませる。
6-8時間とするレシピがありますが10時間は休ませた方が良さそうです。 24時間 48時間でも試しましたが、有意義な差はありませんでした。
北海道産小麦は使わない。
結論としては**「ドルチェ」を使うと100%飛び出て失敗**します。
以前はドルチェ(北海道産小麦粉)とエクリチュール(フランス産小麦粉)を普段使いとしていました。 たんぱく質・灰分の量が似ているため、似たような性質と考えてしまいますが、実際に使ってみるとカヌレの場合は成功率に圧倒的な差が生まれました。
ドルチェ たんぱく 9.3% 灰分0.41% 北海道産 エクリチュール たんぱく 9.2% 灰分0.43% フランス産 阿蘇のいずみ たんぱく 7.2% 灰分0.35% 九州産 スーパーバイオレット たんぱく 6.5% 灰分0.35% アメリカ主体
インスタグラムで他のカヌレ製作者に使っている小麦粉を聞いたところ、エクリチュールを使っている人が多いようでした。 また、スーパーバイオレットを使うとほとんど飛び出ないようです。(こちらはすが立たないという悩みがあるようですが・・・) どうしても国内産の小麦粉と使いたいという方は、九州産小麦粉の「阿蘇のいずみ」がおすすめです! うどん・中華麺・製菓なんでも使える使い勝手の良い小麦粉です。
話を戻しますが、小麦粉によって作られる"コシ"は「小麦の品質に関わるグルテンの遺伝的素質について」(国立研究開発法人農研機構近畿中国四国農業研究センター) によると、たんぱく質の量でなくグルテン自体の質(網目構造の強度)の方が大きく影響しているようです。 ちなみにドルチェは「きたほなみ」を利用しているので、グルテンがかなり強い小麦粉となります。(個人的にドルチェは準強力粉だと思っています。) カヌレを作る際にグルテンが強い小麦粉を使うと、生地が飛び出したまま型に戻りにくくなりやすいようなので、グルテンの弱いフランスパンに使われるような小麦粉を利用すると良いことに気がつきました。 試していませんが、キタノカオリなどの強力粉はグルテンが弱めのグループなので、成功するかもしれません。
さて、その他の都市伝説(コツと呼ばれるようなもの)も検証してきました。
牛乳の温度を摂氏60度にする。
牛乳を加熱するのは、あくまでバニラビーンズから匂いを抽出するためなので、 ラムを多めに入れる・バニラエッセンスを使う場合は牛乳を温める必要はありません。 ちなみに、牛乳を冷たいまま使った場合でも、焼き上がりに違いはありませんでした。
混ぜる際の温度に関してですが、摂氏60度を超えると黄身やコーンスターチが変質するため、混ぜる場合は人肌程度まで冷ましたものを使った方がよさそうですが、Youtubeの動画を見ていたら湯気がたっている牛乳をそのまま混ぜているプロもいたので、気にしすぎかもしれません。
その他
初めは離型剤に本格的なミツロウを使っていましたが、蝋引き・片付けがとにかく面倒で割に合いません。 むしろバターを使った方が風味がよく、形もビシッと決まると感じています。
(参考資料)
- 「小麦の品質に関わるグルテンの遺伝的素質について」国立研究開発法人農研機構近畿中国四国農業研究センター
- https://ameblo.jp/aruch-life/entry-12248130349.html