第二種電気工事士の筆記試験を通過し、技能試験の公表問題No.9を練習していた際の出来事。
元々、握力が26kgfしかなく、中スリーブの圧着には苦労していました。そんな中、体重をかけてもハンドルを握りこめない事態が発生。さすがにおかしいと思い、ダイス先端を見たところ
うっかり、先端に圧着済み小スリーブを巻き込んでいました。
人力では解除することができないので、サポートに問い合わせてロックの解除方法を教えてもらいましたが、そのためには握りこまなければならないため、横万力を使ってなんとか解除しました。
技能試験本番でこれが発生したら、諦めるしかない状況となるため、万が一のバックアッププランとしてリングスリーブ圧着工具をもう一本購入することにしました。(試験会場に2本の圧着工具を持ち込むやつは居ないと思うが念の為……)
練習はロブテックス AK17Aを利用していましたが、同じ製品ではなく別メーカーのものを試してみようと思いました。現行流通品は、以下の3製品(とそのOEM元)と考えられるため、比較のため全て入手してみました。
左から
- ミノル工業株式会社[MARVEL] MH-17S(JAPPY JHP-LMS・エスコ EA538JM)
- ロブテックス AK17A(ホーザンP-77(仕様変更品?)・ジェフコム DC-17A・モノタロウ・SK-11 DVC-17A・トラスコ TCP-280)
- ツノダ TP-R(イズミ IS-3)
どれもリングスリーブ大まで圧着できる工具ですが、サイズの差が思っていたよりもありました。
圧着に必要な力
実際に各圧着工具を使ってみると、小スリーブ以下はロブテックスの工具が最も力を使わずに作業ができます。また、握りこむ際は他の製品に比べてハンドルが開いているので操作しやすいと感じます。使用感をまとめても客観的ではないため、各スリーブのサイズを圧着するために必要な力をフォースメーターで計測することにしました。
圧着工具別、ハンドル荷重(各3回 単位:N)
| ミノル工業 MH-17S | ロブスター AK17A | ツノダ TP-R | |
|---|---|---|---|
| 空 | 179.1 | 148.3 | 187.3 |
| 空 | 179.2 | 151.2 | 184.9 |
| 空 | 178.2 | 153.0 | 175.6 |
| 小(1.6x3) | 234.9 | 199.6 | 226.9 |
| 小(1.6x3) | 218.3 | 208.1 | 219.0 |
| 小(1.6x3) | 236.8 | 204.1 | 224.1 |
| 中(1.6x2 2.0x2) | 262.3 | 285.0 | 239.3 |
| 中(1.6x2 2.0x2) | 266.1 | 307.2 | 249.5 |
| 中(1.6x2 2.0x2) | 267.3 | 284.5 | 243.8 |
| 大(2.0x5) | 223.2 | 221.5 | 235.1 |
| 大(2.0x5) | 229.5 | 235.0 | 225.4 |
| 大(2.0x5) | 221.5 | 230.8 | 233.5 |
結果を見ると、小・中サイズについては思っていた通りの結果が出ましたが、大サイズは中サイズより力が少なくて済むというのは意外でした。太字のセルは私の握力(26kgf = 約255N)を超えており、片手での圧着が不可であることを示します。 これを見ると、中スリーブはツノダの圧着工具以外では片手での圧着は不可ということが分かります。この時点でメインの圧着工具はツノダ・サブにミノル工業を採用することにしました。
先端形状の違い
続いて、ツノダの工具で中スリーブの圧着+先端に小スリーブを巻き込んだ状態の試験をしたところ、なんと手の力で押し込むことができてしまいました。トグル機構による握力の低減を実現しているとはいえ、本当にしっかり圧着ができるのか不安になりましたが、ロブテックス AK17Aと先端のダイスを比較してみたところ、原因が判明しました。
赤いところが先端のダイス食い合わせ表面積ですが、ロブテックスは表面積が広いため、噛んでしまったら解除するまでに相当な力(私の場合は横万力が必要なレベル)が必要になりますが、ツノダやミノル工業は食い合わせの表面積が小さいため、噛んだリングスリーブを力を加えず握りこむことができます。
よって、バックアッププランとして2本の圧着工具を持ち込むと言うことはなく、ツノダの圧着工具のみで対応できることが確認できました。
結論
ロブテックスの圧着工具は、リングスリーブを先端に巻き込んでしまった場合、試験中の解除はほぼ不可能です。また、中サイズのリングスリーブの圧着はかなりの力が必要になります。
ツノダの圧着工具は、他の製品よりも弱い力で圧着することができるのが良いです。先端にリングスリーブを巻き込んでも、通常の圧着と同じ力をかければ解除することができます。さらにカラーマーカーが両面に設定されているので、間違えて別の場所で圧着するミスが減りそうです。唯一欠点があるとすると、最後の握り込みをロブテックスよりも深くする必要がある所です。
結論として、リングスリーブ圧着工具はツノダ製を選ぶのが安心です。
その他の検証内容
ロブテックスの強制ラチェット解除は、握り込みながら特定のボルトを回す方法でした。ツノダやミノル工業は、ラチェットの位置が外装に近い場所にあるので、マイナスドライバーでも解除可能です。特にミノル工業のラチェットは薄いため解除しやすいです。
ミノル工業 MH-17S
ロブスター AK17A
ツノダ TP-R
圧着跡については、ツノダやミノル工業の製品はダイス部分が磨かれており、圧着跡が綺麗に仕上がります。特にミノル工業の工具での仕上がりはツヤツヤ感が高いです。ロブスターはマットな感じになります。電気的には差がありませんし、どれが特に見やすいといった差もあまり感じませんが、一応掲載します。
ミノル工業 MH-17S
ロブスター AK17A
ツノダ TP-R
全体(ミノル工業 ロブスター ツノダ)