自動灌水システムを最終的に自分で構築した話。

ベランダで植物を育てているのですが、夏場は水やりに苦労しています。

生活リズムと仕事の都合で適切なタイミングで水やりができないという問題があるほか、紫陽花や藤など水切れを起こしやすい植物があるので、家を1日以上空ける場合は暗くて涼しい室内に退避するという面倒な作業を行なっていました。これは植物の育成にとっても悪いことなので、自動灌水システムの導入に着手しました。

本来、蛇口から導水するのが望ましいですが、都内の狭い1Kのベランダにそんなのものがあるわけがないので、水はタンクに貯めたものが使えるポンプ式かつ、電源も独立した自動灌水装置を探しました。すると、1つだけ該当する自動灌水装置が見つかりました。

「水やり花子」

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2日ほど自宅を離れる用事があり、必要に迫られ急遽導入。 シンプルな実装で説明書も分かりやすかったのですが、ポンプ出力が6Wと低いため水圧が出ないという問題がありました。ジョウロだけなら8分岐くらいまでいけそうですが、スプリンクラーを使おうとすると4分岐程度が限度でした。プランター2つまでならこれでもアリでしょうが、複数の植木鉢に灌水する用途には力不足を感じます。12,800円と考えると、競合するシステムが販売されておらず、そこそこ頑張っているのではないかと思います。しかし、私の用途だと今後の拡張性に関しても不安を感じたため、同じような自動灌水システムを自分で構築することにしました。

自動灌水システムを自作する

まずは、散水パーツ。 流石にこれは自作するよりも、出来合いのものが良いだとうと思い、信頼と実績のタカギ製(簡単水やりシステムスターターキットスターターキットGKK102 ホース内径9mm/4mm)にしました。中華散水パーツに比べると1.5-2.0倍ほどの値段になりますが、2年保証をうたっているだけあり、丁寧でしっかりとした作りでした。これはケチらない方が良いです。ただし、試験はしっかり行いましょう。ホースの差し込みが甘いと抜けることがあるので奥までしっかりと差し込む必要があります。(一度、差し込みが甘くすっぽ抜けました……)

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次に配水用ポンプ。 タカギの調圧水栓の最大水圧が0.7MPaということだったので、最大0.6MPaの12Vダイアフラムポンプ(FL-5206)を選定。タカギの内径9mmホースと直接接続できるようになっていたので、配管用品など余計な出費を抑えることができて満足。念の為接続箇所は、高圧対応のワイヤバンドで固定し、接続先はホースのジョイントニップルを利用しました。 (楽天のリンクを貼りましたが、Amazonだと60%くらいの価格です)

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次に、自動灌水のための制御プログラムをどのように動かすかを検討しました。 こんなデジタルプログラマブルタイマースイッチを使えば、時間になったらポンプを動かすという処理が、安く簡単に実現できるので良いと思います。

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しかし、今回はマイクロコントローラを使って自分でプログラムを実装して制御することに挑戦しました。 Wi-Fiが使えるRaspberry Pi Zero WHを検討していましたが、消費電力と価格がさらに安いESP-WROOM-32というEspressif Systems社が開発したWi-Fiマイコンを使うことにしました。(消費電力1/5 価格1/2)

オフグリッドということもあり、ソーラーパネルと電池も必要です。各パーツの消費電力を改めて計算して必要なワット数を計算しました。ESP32は100mW程度(後々、ESP32をROHMのDC/DCコンバーターで動作させたところ、通常動作時の実測値は84mWでした。驚き! ) ポンプや、リレーの動作は 一日多くて3分程度の稼働なので合わせて75mA/hで計算。 充放電制御器を追加することを考えると、1時間の消費電力が200mW想定で1日あたり4.8Wの消費。 都内が晴れる確率は60%ほどなので、ソーラーパネルは余裕を持って1日あたり15Wほど発電して欲しいので、サイズと価格で絞り込んだ結果、8W(一日あたりの発電目安24W)のソーラーパネルにしました。

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8月の炎天下で太陽電池による発電を試験したところ、1日の発電量が40Wを超えることがわかりました。また、曇りでも電圧が落ち込まないので、期待以上の性能です。

充放電制御器は消費電力の低さと信頼性を重視し、少し高い電菱のものにしました。 自己消費電力は2mWほどらしいので計算に影響を与えないはず。

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蓄電池は価格と容量のバランスがとれた、12V鉛蓄電池 WP1236Wに決定。 20時間率容量8.5Ahで 約100Whなので、フル充電から20日間はソーラーパネルなしで動作します。

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1x4材で棚を組み立て、電装・ホースを組み立て、最後にプログラムを実装。動作検証をして完成!

今回作成したプログラムのリポジトリ(GitHub:自動灌水システム) https://github.com/ayumu-bekki/irrigation_system

気象庁から取得した天気予報を元に、水やり時刻を自動的にスケジューリングしてくれるESP-WROOM-32用プログラムです。ウェブブラウザで動作状況が確認でき、手動での水やりも可能です。

合計金額パーツ型番価格太陽電池パネルMSP8W12V 12V 8W\2,780充放電制御器電菱 Solar Amp B 10A/12V SA-BA10\3,100鉛蓄電池KUNG LONG BATTERIES WP1236W 12V 8.5Ah\2,145ダ イアフラムポンプFL-5206 12V 36W 3.5L/Min 0.6MPa\2,149フィルター水中ポンプフィルタ\240電装収納アステージ NFボッ クス♯11 ブルー (フタ込)\669水タンク岩谷マテリアル Iwatani ウォッシャブルタンク 20L\1,010散水パーツタカギ 水やりスターターキット 鉢植え・プランター用 GKK102\4,074散水パーツタカギ ポットスプリンクラー やわらか GKS103\709散水パーツタカギ ポットスプリンクラー 点滴 GKS102\709散水パーツタカギ スリムホースジョイントニップル G040SH\280散水パーツタカギ ワイヤバンド高圧ドライバー外径12-16 QG430\107マイコンESP32-DevKitC\1,230リレー大電流大型リレーモジュールキット 12V版 [AE-RELAY953B-12V]\500DC/DCコンバータROHM BP5293-33\250木材(棚用)1x4材 1820mm x2\1,440その他電子部品・配線用品・ペンキ・木ネジ・ケース等\1,650合計 \23,042


ESP-WROOM-32について RaspberryPIのように簡単に使えると思ったら大間違い。OSがリアルタイムOS(Amazon FreeRTOS)だったり、利用できる言語に制限があります。コアな機能はEspressif IoT Development Framework(ESP-IDF)を利用する必要があるため、こちらを利用することにしました。ただし、複雑な制御をするためにはFreeRTOSの知識(タスクとウォッチドッグタイマ)が必要。まぁ、数時間もあれば学習できると思います。ArduinoIDE(Arduino言語)でも開発できますが、C++ができるなら最初からeps-idfを使った方が自由度が高く余計な罠にハマらないと思います。

FreeRTOS参考サイト http://miqn.net/rtos/ https://lang-ship.com/blog/work/esp32-freertos-l01-about/

ESP-IDFについてはドキュメントがしっかり整備されており、謹製サンプルについても充実していて役立ちました。今回はWebサーバーを立てて定期的に処理するという実装でしたが、特に定期的にセンサで検出したデータをWebに上げるといったIoT用途に相性が良さそうです。

タカギの散水タイマーは乾電池駆かつ防水ですがけっこういい値段します。(Amazonで8,526円)上記のパーツ+電磁弁(600円ほど)を使うことで3000円ほどで同等以上のシステムが組めることになりますね。ディスプレイがない点については、WebサーバーをESP32内で立ち上げ、Wi-Fi経由で情報を表示する機能で代替しました。土壌湿度センサーや気温センサーを追加するのも簡単にできそうです。

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