乳がん闘病記 003.妊孕性温存

「妊孕性温存」

抗がん剤は、分裂・成長のスピードが速い細胞に対して作用する薬です。 がん細胞はもちろんですが、成長の早い正常な細胞(血液細胞・消化器・生殖器・毛根)も影響を受けます。 特に、抗がん剤治療による永続的な卵巣機能低下により、将来赤ちゃんを授かることができない可能性が出てくるため、 妊娠できる可能性を残すため、あらかじめ卵子を取り出し凍結することになりました。 これらの対応は、生殖医療(リプロダクション)の領域で妊孕性温存などと呼びます。

2012年7月27日

抗がん剤をするにあたって、副作用で子宮の機能にも影響が出、生理が止まってしまい、最悪そのまま閉経してしまう事もあるみたいです。最悪の状態に備えて取って置く事に決めました。 まあ、まだ若いので、希望は十分あるのですがね でも、採卵などは保険がきかないので、全て自費扱い;;; 大学病院でやるので、一般病院よりは安めなんだそうですが、それでもキッツイです(>ブログ引用

この時点で、ナナと私は同居していたものの未婚でした。 卵子そのものを凍結するより、受精後の胚を凍結した方が実績が多く妊娠成功率は高いですが、 未婚の場合は生殖医療機関によっては、卵子保存などを受け付けない所もあるなど、基本的に受精させることができませんが、既に婚約済みで同居していたため受精してからの胚の状態での保存が認められました。

卵子の採取は、卵胞に針を刺して行うのですが、通常は1つしか卵子が育っていないため、 育てるためのフォリスチム注射を毎日注射する必要があります。 通常の生理周期に合わせる必要があるのですが、運良く受診した直後から行うことができました。

フォリスチムペン ガニレスト皮下注0.25mg 29G針 治療記録より(抜け不明) 2012/08/04 150IU 08/05 150IU 08/06 150IU 08/07 150IU 08/10 150IU

そして採取当日です。 ほとんどの人は、痛みを感じないため麻酔は局所のみなのですが、 取り出した直後にすごく痛がっていたため、すぐ採精せずに付き添うことに。 「もう二度とやりたくない」と言ってました……

卵子を10個取り出して、精子を直接ふりかける形で受精を試みた所、受精した杯はわずか2個! 本来であれば50%-80%ほどの確率で受精するようですが、上記理由で取り出してから受精させるまでの時間が伸びてしまったことにより、受精率が低下してしまったみたいです。

これらの費用は全て自費扱いですが、大学病院ということもあり専門のリプロダクションクリニックに比べ低額(20万円程度)に抑えることができました。

結果的に、受精卵を使うことは無かったが、子供を望んでいたナナにとっては少しでも安心できただろうと思います。

そして、同じ時期に手術で取り除いた腫瘍の検査結果が出ました。 この結果が、今後の治療方針に大きな影響が出てきました。

用語解説

フォリスチム注射

卵巣を刺激して複数の卵子を育てる薬。冷蔵保存する必要があります。

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