前置き:筆者は選択的夫婦別氏制度にやや賛成です。
8年ぶりに再婚して、また名字が変わりました。 2021年現在の日本の法律では「夫婦は,婚姻の際に定めるところに従い,夫又は妻の氏を称する。」ということになっているので、結婚の際はどちらかの名字(法律上は氏)に変更しなければなりません。 面倒と言われる手続きですが、8年前に比べてマイナンバー制度や周辺のデジタル化が進んでおり、以前よりも手続きが楽になっていました。以前は、結婚直後は住民票くらいしか身分を証明するものが無かったのですが、マイナンバーカードの改姓手続きが婚姻届を出した直後からできるため、身分証明が必要な銀行などの手続きもスムーズに行うことができるようになりました。
- マイナンバーカードの改姓手続き : 婚姻届を出した窓口の隣で即日
- 年金 : マイナンバーと紐付けされているので手続き不要
- 運転免許証 : 免許センターに行く必要がある。これは、名字が変わらない側も本籍が変わった際は手続きが必要。戸籍謄本の他、住民票(本籍入り)が必要ということだったらしい。
- 銀行(都市銀行A) : 店頭に行く必要がある。予約すれば手続きは10分ほど。
- クレジットカード(大手B社) : Web上で書類をアップロードして完了
- クレジットカード(C社) : 紙の書類をWebで申請する必要がある。
- クレジットカード(D社) : 紙の書類を電話で申請する必要がある。
- 証券会社(大手E社) : Web上で書類をアップロードして完了
ということで、時間はかかることはありますが、名字の変更手続きはそこまで手間がかかるようなものはありません。 (印鑑証明が必要な書類がある場合は手間がかかるかもしれません)
一点だけ、Macを購入した際のOricoのローンは、名前が変わると一括で支払う必要があるようです。 ほぼ払い終わりだったので、数万円を振り込むだけで済んだのですが、購入直後だと困ったことになる人もいるかもしれません。 金利0%キャンペーンだったので利用したのですが、最近はpaidyが主流かつ常に手数料0%なのでOricoは使わない方が良さそうです。
で、ここから話は直近のことになるのですが、デジタル庁が20日に公開した「新型コロナワクチン証明書アプリ」(以降証明書アプリ)が旧姓併記していると、証明書が発行できないという問題が生じているようです。 私もマイナンバーカードが旧姓+氏名変更事項が記入されているものなので、ダメかと思ったのですが、氏名変更扱いで旧姓がデジタル情報に載っていないためか、問題なく表示できました。ただ、次回発行時に旧姓併記することになった場合に、不利益を得ることがあることも考えられるのは嫌ですね。
個人的には、政府の旧姓の通称使用も進み、私の勤務先でも最近になって旧姓を利用できるシステムに変更されるなどの状況で、不満はあまりありません。今回の証明書アプリはスピードを優先したためか、旧姓表記しているマイナンバーカードを所持ている人が後回しにされた感はありますが、そもそもそのような事にならないようにシステムの実装を進めてもらえればと思います。
この件はTwitterのトレンド等でも騒がれていましたが、選択的夫婦別氏制度を推進するシステム会社活動家の方が「旧姓併記という特殊なデータに対応するために追加コストがかかる、旧姓使用を拡大するからコストと利便性が下がる」という発言をされていて、ちょっと気になりました。そもそも旧姓併記は特殊なデータでは無く、旧姓のシステムを追加したからといってコストが大幅に増えることはありません。(C社のエンジニアがイケてないだけかもしれませんが) 完全夫婦別姓を主張しているのであればこの論調も受け入れられますが、これでは夫婦で同姓を選択し旧姓を仕事で利用する人のことをあまりにも考えていないなと思いました。 実際問題、8年間旧姓をビジネスネームにしていて困るほどの問題は起きなかったので、夫婦別姓を選択しなかった場合でも旧姓使用を利用できるという環境を維持してもらいたいと思います。
年々、妻側の名字になる人が増え、令和に入ると5%ほど妻の名字を選択しているようです。とはいえ、半々くらいの割合で居ないと、そのうちに日本人が全て佐藤さんになってしまうので、名字にこだわりが無いカップルは、タイの徴兵制みたいに、くじ引きでどちらの名字にするかを決めればいいと思うよ。
参考:(法務省)選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)について https://www.moj.go.jp/MINJI/minji36.html